ミリオン座で「her/世界でひとつの彼女」を観る。OSに恋するなんて変な話だ、と思っていました。でも、彼女がホントにいたんじゃないか、と錯覚するようなステキな話でした。いや、そこにいなかったけど、スクリーンには映っていたのかも。
近未来のロサンゼルスで、セオドア(ホアキン・フェニックス)は相手に代わって思いのたけを手紙にしたためる代筆ライターをしていた。長きにわたり共に生活してきた妻キャサリン(ルーニー・マーラ)と別れ、悲嘆に暮れていた彼はある日、人工知能型OSサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)と出会う。次第にセオドアは声だけで実態のない彼女の魅力のとりこになり……。
引用元:映画『her/世界でひとつの彼女』 – シネマトゥデイ
簡単に言ってしまえば「携帯電話に恋をした」という話。気持ち悪く聞こえるけど、作品を観たらそんな気持ちは薄れる。まるで人間のようなコミュニケーションをするんです。
人間と違うのは、膨大なファイルからユーザーの嗜好やプライベートを分析すること。メールからも過去の経歴を学習するんだから、このOSに対して嘘はつけない。
嘘って、本音にベールを張ることでもある。相手に自分の気持ちを見透かされないようにすることは、社会生活では必要な場面もあるかもしれないけど、恋愛ではマイナスの要素もある。いいことばかりじゃないけれど、それが心を通わせる大事なことなんだ、と感じました。
観終わって心に残っているのは、この作品のカラフルさ。顔のないOSの表情を、背景全体がつくっているのかもしれない。そういえば、セオドアのシャツの色もシーンごとに違っていた。サマンサの気持ちが、シャツの色に現れていた…ということは、サマンサはセオドアのそばにずっといる、ってことを表していたのかも。
OSに恋するという話でも心の成長を描くことができるんだなあ。2度めはもう少し落ちついて観られるかも。ボクは作品の世界に驚きすぎてたんです。「えー、キーボードないのー? すっげー! わー、音声入力の精度、すっげー!」とか、いちいち反応してました。
コメントを残す